飲食店開業スケジュール飲食店で独立開業を検討している方なら、ぜひおさえてほしい飲食店開業スケジュールと開業準備ポイントをご紹介します。

飲食店を始めるには、いつから本格的に開業準備するべきか?正解は、開業時期の1年前です。

一般的には、業態にもよりますが、「飲食店を開業する」と決めてから、1年近くかけて開業準備を進めていくのが王道です。開業にあたっては、「いつまでに何をすべきかを、しっかりおさえる」ことが大切です。

開業1年前

コンセプトの決定

独立開業にあたり「どのようなお店をつくりたいか」のストアコンセプトを決めることが最初のスタートです。ストアコンセプトとは、「誰に対して、何を、どのように提供するか」を明確にすることであり、飲食店であれば、商品、接客スタイル、空間の3つを組み合わせたお店のコンセプトです。似たような業種・業態が多い飲食店の中で差別化を図りつつ、ターゲット顧客に対して自店の魅力(ウリ)に共感しもらえるようなコンセプトづくりが重要となってきます。

この段階ではターゲット顧客と看板商品が明確になっていることがポイントです。

事業計画書の作成

ストアコンセプトをもとに事業計画書を作成します。この段階での事業計画は、精密なものである必要はありません。開業に向かって徐々に詳細化していきます。事業計画では、店舗開業に必要な「ヒト・モノ・カネ・ノウハウ」を準備する段取りと「儲け」の計画を考えることが重要となってきます。

商品を作り出すための活動計画

商品をどこから仕入れるのかという「仕入計画」、ターゲット顧客が見込める出店エリアや物件タイプを決める「出店計画」、どのような商品を販売するかを決める「商品計画」、店舗の運営に必要なスタッフを用意する「要員計画」などを検討します。

商品を販売するための活動計画

集客のための販促手段を決める「販売計画」を検討します。チラシや広告といった従来の販促手段から、WEBサイト構築やSNSの登録、ぐるなびや食べログなどのグルメサイトの有料登録、LINE@などの広告の活用など、今どきのWEB販促などを視野に検討します。

儲けの計画(収支計画)

飲食店の売上は「客単価×客数」で求められます。営業日数は何日で、いくらの客単価で、1日当たり何人の来店を見込むのか、概算でもよいので月商売上の目標を設定する必要があります。一方、店舗運営にかかる費用として、FL率を概算で計算します。月商売上にFL率をかけて、引いた金額から「儲け(目標利益額)」を除いた部分が、店舗家賃などの固定費などの経費部分になります。この段階でどのくらいの席数が必要で、いくらくらいの家賃の物件を探すべきかが明確になってきます。

費用は、初期費用と継続費用に分けて管理する必要があります。開業時の初期費用として物件の取得費用や内外装や什器・備品の概算の見積もりを行います。

儲けの計画を検討する段階で、利益が出せない場合は、絶対に開業してはいけません。再度、コンセプトの決定に戻って、ビジネスモデルを見直しましょう。

開業6か月前

物件探し

ストアコンセプトで決めたターゲット顧客の集客が見込めるエリアを中心に物件を探します。出店候補エリアをいくつか決定します。出店候補エリアが決まったら、物件の平均的な相場を確認します。

また、物件を探す際は、商圏エリアの不動産屋に相談するだけでなく、「店舗そのままオークション」や「飲食店.com」といった居抜き物件サイトなどを活用して、条件に合った物件を効率的に探すようにします。

資金調達

物件探しとあわせて進めていくのが資金調達となります。自己資金ですべての開業資金をまかなえればよいですが、実際には難しいところです。ほとんどの独立開業者が、自己資金以外の資金調達として日本政策金融公庫の「新創業融資制度」を利用して借り入れを行っています。

資金調達にあたっては、不動産取得費用、設備資金(什器・備品の購入費用)、運転資金(最低でも月商の3か月分)を考慮して、借り入れに必要な金額を計算します。

「新創業融資制度」の借入の流れ

1.借入の申し込み

申込に必要な書類を入手し、借入申込書と創業計画書を作成します。

2.推薦状の取得

生活衛生営業指導センターに対して推薦状交付願を作成します。推薦状交付願を提出して、推薦状を取得します。

3.融資の申し込み

日本政策金融公庫の窓口またはウェブサイトにて融資申し込みを行います。

4.融資面接

融資の審査として面接が実施されます。「面接のご案内」と「持参資料のご案内」が送付されてきます。融資面談は、融資担当者が、申込者の人間性や事業の実行性を判断する大切な場面ですので、きちんと借入の目的や返済実現性をアピールすることが大切です。

融資

融資が決定すると「融資のご案内」が届きますので、借入家契約手続きに張ります。契約締結後、融資が実行されます。

開業3か月前

物件契約

不動産契約書を締結して、保証金などを支払います。一般的に賃貸物件の不動産契約の締結にあたっては以下の書類が必要になります。

  • 身分証明書
  • 判子(実印・銀行印)
  • 印鑑証明
  • 住民票
  • 収入を証明する書類(源泉徴収票、納税証明書)
  • 連帯保証人承諾書

 

店舗施工設計

物件の契約が完了したら、店舗の外装・内装の施工を行います。ストアコンセプトにあった店舗づくりが大切です。店舗デザインを依頼する施工業者を決める際には飲食店店舗の施工実績の多い会社に依頼しましょう。

また、施工を依頼する際は、複数の施工業者に見積もりを依頼する相見積もりの形で依頼します。内装費用は、坪単価目安30万前後と言われていますが、物件の状態、店舗コンセプトなどにより金額が大きく前後します。あらかじめ、内装費用の予算を決めておき、予算内で実現できる内装でデザインを検討してもらうことが大切です。通常は、物件の現地調査から1週間程度で見積もりと施工デザインがあがってきます。

 

食品衛生管理者の資格取得

飲食店を開業すためには食品衛生管理者の資格が必要です。調理師免許などを持っていない場合には、各県で開催される食品衛生管理者養成講習会を受講する必要があります。都内の場合ですと、毎月、講習会が開催されていますが、1か月先まで申し込みが埋まっていることが多いため、開業される方はなるべく早い段階で講習会の申し込みを行うようにしましょう。

保健所への事前相談

施工デザインが確定し、店舗の図面ができあがったら、施工着手前に保健所に相談に行っておくほうがよいでしょう。飲食店の居抜きの場合であっても、営業許可をもらうための条件を満たしてないケースもあるので注意が必要です。また、保健所への相談は予約制となっていることが多いので、まずは電話で連絡をとることをおすすめします。

店舗施工着手

店舗着手する際には、事前に賃貸オーナーや隣接店へのあいさつや施工スケジュールの共有をしておくと、円滑に施工作業をすすめることができます。

開店準備

開業準備にあたって、従業員スタッフの募集を開始します。あわせて販促物の準備を行います。

開業1か月前

役所への届け出

飲食店を開業するには、「飲食店営業」の許可を受けなければいけません。また、深夜営業を行うには、「深夜における酒類提供飲食店営業の営業開始届出」が必要となります。

什器導入

店舗運営に必要な什器を導入します。施工段階で什器を含めた見積もりを提示されることが多いですが、費用を抑えるためには、設置場所のサイズをもとに、独自に中古の厨房用品サイトなどで什器を購入することも、初期費用をおさえる上では重要です。店舗消耗品や備品なども業務用カタログなどを使って、まとめて購入します。

まとめ

飲食店の開業スケジュールと開業準備のポイントを紹介しました。小さな飲食店であっても開業までの流れは基本的には変わりません。開業準備の段階から失敗してつまづかないようにするためも、あらかじめ、全体のスケジュール感をおさえておくことが大切です。