飲食店開業資金目安
飲食店を開業したいと思ったときに、最初に用意すべきは、やはりお金です。実際に飲食店を開業するにはどのくらい資金が必要か、また開業費用の内訳にはどんなものがあるのかをお伝えします。

飲食店を開業する資金はいくら?

飲食店の開業資金は、700万~2000万円くらいで、居酒屋やカフェといった業種・業態や出店場所により開業資金は異なりますが、平均で1200万円程度の開業資金が必要です。

普通にサラリーマンをしてコツコツ貯金をしても貯めることがなかなか難しい金額です。

ですので、通常は、自己資金に加えて、金融機関からの借り入れで開業資金を調達します。

「すべてを金融機関からの借り入れではダメなの?」というふうに考えがちですが、実際の融資審査では、自己資金の額に応じて融資額が、ある程度、暗黙で決まってきます。そのため、平均的な開業資金の3分の1にあたる400万円以上を目標にして事前に自己資金を用意するようにしましょう。

開業時にかかる費用の内訳は?

飲食店の開業にかかる主な費用は、物件取得費、開業準備費、運転資金の3つです。

物件取得費

物件取得費は、賃料の10~16ヵ月分が目安となります。賃料や共益費(管理費)だけでなく以下の初期費用がかかります。

費目 内容 出店タイプ
新装 居抜
敷金・保証金 店舗を賃貸する際に、債務の不履行が発生した際に債務を担保するため引き当てる一時金。敷金・保証金は、一時的な預り金のため、退去時に原状回復の資金を差し引いた金額が返金されることが多い。一般的に賃料の6~12ヶ月分
礼金 貸主に対する賃貸借契約のお礼にあたる一時金。一般的に賃料の2~3ヶ月分で返金はない。
仲介手数料 契約成立時に不動産会社に支払う成功報酬。一般的に賃料の1~2ヶ月分で返金はない。
造作物譲渡費 前借主の店舗の造作物(内装・厨房設備)をそのまま譲渡する場合にかかる費用。金額相場はないため、前借主との金額を合意して譲渡契約を締結する。

開業準備費

開業準備費のうち、内装工事費が最も高額となるため、ストアコンセプトにあった最低限の内装に抑える方針とします内装業者は、飲食店の内装実績が多数ある業者を選定してましょう。理想は、3社以上の相見積もりを実施し、信頼できて、コスト的にも見合う業者を決定する必要がります。

費目 内容
外装工事費 看板の施工や設置費用など。看板施工費は、ファザードの面積などに応じて決まる。看板も含め、30万円程度。
内装工事費 建築工事費や空調や電気、ガス、水道や、トイレ等の設備工事費など。新装なら一坪当たり50~80万円程度。
厨房設備費 食材の保存・調理のための什器備品。冷蔵庫、ガスコンロ、フライヤー、食器洗浄機など。30万円程度。
販促費 開業に向けた販促物製作費。ホームページやチラシなど。
備品購入費 レジやユニフォームや棚などの購入費用。レジは10~20万円程度だが、タブレット型レジなどの活用によりコスト削減できる。
火災保険料 重飲食の場合は、必ず入っておきたい保険。内装に費用をかけている場合も同様。

運転資金

運転資金は、開業の店舗運営に必要な費用です。開業当初の運転資金は、月商の2カ月から3か月程度を確保することが望ましいです。理由としては、開業後、経営を軌道に乗せるためには、少なくとも半年程度の時間がかかるからです。実際に開業後、売上が伸び悩み、資金繰りが、悪化して半年で閉店してしまうケースもあるので、開業後の運転資金は多めに用意したほうがよいでしょう。

最後に

飲食店を開業する際の開業資金の目安や開業費用の内訳をお伝えしました。開業資金を計画的に準備することが、開業後すぐに失敗しない飲食店開業の秘訣となります。