造作譲渡料は立地にどれだけ魅力があるかできまる!
造作譲渡料=造作物の価値 ではない!
居抜き物件情報サイトを使って物件探しをすると、家賃や敷金・保証金などの記載のほかに、『造作価格』という記載があります。
正確には、造作譲渡料といいます。店内にある造作物(内装、厨房設備など)の所有権を「この価格で譲渡します」という金額のことです。
物件の契約は、不動産屋さんを通して家主と契約をしますが、造作物売買に関しては、造作物の所有権を持っている、「前オーナー」と「新しく入居するオーナー」との間で売買契約を直接結びます。
居抜き情報サイトに掲載されている『造作価格』を売り主である「前オーナー」にお支払いします。
しかし、サイトに掲載されている造作譲渡料は「0円」と記載されていたり、造作譲渡料が「1000万円」もする居抜き物件があったりと価格はさまざまです。
一体、造作譲渡料の価格の違いは、なにを基準に決められているのでしょうか?
多くの人は「内装にお金をかけて作った物件だから高いのだろう!」または「新しい厨房設備がそろっているから高いのだろう!」と思われがちです。
ですが、内装にどんなにお金をかけて作ったお店であろうが、新しい最新の厨房設備をそろえていたお店であろうが、実は造作譲渡料の高低とは無関係なのです。
造作譲渡料の価格の違いは、立地によって高低します。人気のある立地では、造作譲渡料も高くなるのです。
造作譲渡金額は、誰がどうやって決めているの?
造作譲渡料は、所有権を持っているオーナーに決定権があります。基本的にはオーナーの好きな金額を提示することができます。
しかし、いくら売りたい側の都合で高値を付けたとしても、買ってくれる人がいなければ、売買は成立しません。
そこで、譲渡を希望するオーナーは居抜きを専門に扱う業者に依頼をして査定してもらいます。
居抜き専門業者は、立地や相場観、原状回復した場合の出費、保証金の償却費などを考慮した上で、適した造作譲渡金額をアドバイスします。
居抜き市場の相場として、大体100万~250万円の間で取引されてることが多いです。それ以上の造作譲渡料になると、あまり動きはよくありません。
しかし、人気のある立地や魅力的な立地であれば、もちろん高額の値がついても需要はあります。
こうした経緯で、造作譲渡料は決められています。
売りたい側としては、一刻も早く次の入居者を決めたいというのが本心です。入居者が決まらずに、高額な原状回復費用が発生してしまうのであれば、造作物は「0円」でもいいから、次の入居者を決めたいと考えるオーナーは少なくありません。
居抜き物件市場で造作譲渡金額が「0円」という掲載があるのは、そういった事情があるためです。
造作譲渡料が「0円」だからと言って、造作物が古いというわけではないのです。造作譲渡料の高低と造作物の「価値」とは関係がないと言えます。
まとめ
- 造作譲渡料は、造作物の所有権を持っているオーナーが自由に決められる。
- 造作譲渡料100万~250万円の間で取引されることが多い。
- 立地の魅力が造作譲渡料の高低に影響を与える。
- 造作譲渡料の高低と造作物の「価値」とは関係がない。