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インスピレーション

日本国内では、知ることのできない海外の飲食店情報をご紹介!あなたのお店のストアコンセプトや新たなビジネスのアイデアとして参考になるはず!

国内外から観光客が集まる商店街「通仁市場(トンインシジャン)」

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韓国ソウル市の中心に位置した、生活感あふれる商店街、「通仁市場(통인시장、トンインシジャン)」に国内・国外問わず、多くの観光客が集まる観光名所になっています。

数年前まで、特に観光で行くような特別な場所ではありませんでした。ごく普通の地域住民の台所として親しまれていた商店街でした。しかし「お弁当カフェ」という、ひとつのアイデアで国内外問わず多くの観光客が集まるホットスポットに変わりました。

日本では、大型店の進出により地方商店街が衰退傾向にあるのが現状です。韓国の「通仁市場(トンインシジャン)」のような、ごく普通の商店街が活気を取り戻した成功事例は、日本の商店街事情にも参考になるのではないかと思います。

大都会の真ん中で「生活の匂い」を感じる素朴な場所!

通仁市場(トンインシジャン)は西村(ソチョン)という地域にあります。 西村(ソチョン)は、観光地として有名な景福宮(キョンボックン)の西側に位置しています。 地下鉄3号線「景福宮駅(キョンボックンヨク)」2、3番出口から徒歩8分のところにあります。

 

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通仁市場(トンインシジャン)は1941年から続く商店街です。朝鮮戦争後、西村(ソチョン)地域に人口が急増し露店や商店が集まり現在のような商店街が形成されていきました。約200メートルの商店街に75店舗が並んでいます。韓国では小規模商店街です。

夕食の買い物をしているお母さんたちや、屋台に座って食べている学生たちがいたり、大都会ソウルの真ん中に、このような生活感を感じる素朴な場所があるのは、なんともホッコリします。

カラの弁当箱を片手に商店街をねり歩く「お弁当ビュッフェ」

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なぜ、ごく普通の通仁市場(トンインシジャン)が観光地として盛り上がったかというと「お弁当ビュッフェ」というアイデアを商店街で取り入たからです!

「お弁当ビュッフェ」というのは、「カラのお弁当箱」と通仁市場内でのみで使える「専用コイン」を購入して、カラのお弁当箱を持ちながら商店街をねり歩くというユニークな姿が若者を中心に話題となり、新たなソウルの観光地となりました。

 

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参照元:通仁市場公式WEBサイトより

専用コインは、歴史を感じる古銭をモチーフにしていて、見た目としても面白いアイデアです。1枚500ウォン(約50円)、10枚1セットで5000ウォン(約500円)で、商店街のお弁当カフェ加盟店のお店で、自分の食べたいものだけを選んでお弁当箱に入れていくという仕組みです。食べ物のほとんどは、専用コイン2~3枚(約100~150円)程度で1種類購入できます。

 

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好きな料理を好きなだけ!

 

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韓国の天ぷら

 

ソウルフード「油トッポッキ」

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名物 油トッポッキ(기름떡볶이)

通仁市場(トンインシジャン)の名物メニューは油トッポッキ(기름떡볶이)です。 一般的に知られている汁がたっぷりある真っ赤なトッポッキではなく、油で炒めた小指サイズのかわいいトッポッキです。一般的なトッポッキに比べ汁っ気がないため、しっとり感はありませんが、食感はもちもちとクセになります。この辺りで育った子どもたちは、この油トッポッキをおやつ代わりに食べているのでしょう。

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食べれる、しゃべれる「弁当カフェ」

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お弁当箱いっぱいにおかずを詰めたら、商店街の中にサービスセンター2階ある「弁当カフェ」という施設の中で、お弁当を食べることができます。「お弁当カフェ」の中には、席が用意されていて、ゆっくり座って食べることができます。箸とスプーン、水がこちらで用意されています。

 

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ごはんとスープを別途1000ウォン程度(約100円)で購入することもできます。

午前11時~午後4時まで、毎週月曜日と第3日曜日はお休みです。「お弁当ビュッフェ」はお休みですが、商店街としてそれぞれのお店は空いていますので、買い物することは可能です。

進化し続ける商店街

通仁市場(トンインシジャン)は、商店会を「通仁コミュニティ」と改め法人登録を行い、コールセンターと配送センターを設置してオンラインショッピングセンターを運営しています。

商店街は地域住民の台所として活用されることが一般的な機能ですが、通仁市場は積極的に地域住民以外の集客に力をいれています。商店街へ実際に来てもらうだけでなく、オンラインショッピングセンターを設置しインターネットからの購入もできるような対策をしています。しっかりと時代の流れをつかんだ、進化し続ける商店街だといえます。

通仁市場公式WEBサイト(韓国語)

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日本の商店街の衰退理由として、大型店の進出という外部的な問題だけでなく、実際は、それ以上に商店街内部の問題が原因なのかもしれません。「意見の対立」や「協力意識の低下」「時代のトレンドをつかめていない」といった課題です。

このような、課題解決を試みる上で韓国の「通仁市場(トンインシジャン)」は、商店街が一丸となって成果をあげた、よい成功事例なのではないかと思います。

「お弁当カフェ」というたったひとつのアイデアで、ごく普通の商店街を観光地として盛り上げた1つの成功例ですが、ここからインスピレーションを受けて、あなたのお店の新しいアイデアとして取り入れてください。